迎えた土曜日。
昨日の夜、決めておいたワンピースの袖に腕を通す。
袖にはフリルが付いていてとても可愛らしいワンピースだ。
この日の為に彩月に教えてもらったナチュラルメイクをして、髪はポニーテールにした。
不器用な私の精一杯だ。
できれば可愛いって言って欲しいな、
待ち合わせは11時。時間があるので、軽く朝ごはんを食べて時間になったら家を出た。
「お母さん、行ってきます!」
大きな声で言って家を玄関の扉を開けた。
扉が閉じる前のお母さんの言葉にギョッとする。
「行ってらっしゃい。彼氏さんによろしくね」
え、気づかれてたー
なんで?
恥ずかしい。
お母さんって、私のことよく見ててくれるんだなって思ったら、愛おしさが溢れた。
もう来てるかな?待ち合わせの駅に着くと、その人はすぐに見つかった。
うっ。
駆け寄ろうとして躊躇したのは月原君に近づいてく、2人組の女の人がいたから。