「一緒に帰ろう」
「うん!」
月原君と一緒に帰るのはこれで2回目だ。
あ、そういえば
「月原君、私が風邪ひいた時、走って家まで来てくれたよね?何で車じゃなかったのかなーって?」
こんなこと聞かれるの嫌だったりしないかな?
月原君は少し考えるとあぁ、と思い出したように声を出した。少し恥ずかしそうに顔を逸らして応えてくれた。
「いや、あの時は無我夢中で頭回ってなかったから、」
「そうなんだ、来てくれてありがとう。
今日も車じゃなくて良かったの?いつも車なんだよね?」
月原君は私と帰る時、歩いて帰っている。
電車とか嫌じゃないかな?
「うん、少しでも長く百合と居たいから」
目尻を下げ優しげに微笑んだ月原君。
好きだなぁ、この笑顔。
「百合、土曜日空いてたらデートしない?」
「デート!?する!」
突然の誘いに驚いたが、土曜日は予定がなくてよかった。
土曜日が待ちどうしい。楽しみだな!
ワクワクと踊る心を抱えて家へ帰った。