恐る恐る図書室に足を踏み入れると、



あっ、


胸が苦しくなる。

嫌な感じがする。



私の期待は裏切られそこには外をぼー、眺めている月原海君がいた。



片手に本を持ち、スラッとした長い足の片方に体重を掛け壁に背を預けている。



だからつい見惚れてしまった、

その綺麗な姿と、いつもとは違う_____



「なに?」

「へ?」

「君に言ってるんだけど、小坂百合さん。」


ビックリした。突然話しかけられたことも、私の名前を知っていたということにも。


「なんでそんなビックリしてるの?」


それにビックリしたのはもう一つ理由がある。


「王子様キャラはもういいの?」


「は?」