自転車で駅まで向かった。
 りょうは、駅前で立って待っていた。
「ありがとう。助かるよ。」
「いいえ。野宿でもいいんじゃないの?」
「冷たいな。とか言って、ちゃんと来てくれるのが夢佳のいいところ。」
「はいはい。」

 とりあえず、アパートに連れて行った。
「いいアパートに住んでるね。さすが、夢佳の親。」
 私の親は、医師と薬剤師だった。そして、私は看護学科。
 りょうは医学部だった。

「いや、りょうも医者になるんでしょ?」
「そうそう。」
「本当に慣れるの?入って一カ月でこんなんで。」
「大丈夫だよ。ゆめかがいるもん。」
「はいはい。」
 りょうは、いつも適当なことを言ってくる。