「で、しんやと付き合うの？」
「断った。」
「え？なんで？」
　
「しんやくんはいい人だけど。付き合えない。」
「なんでだよ。」
　怒って言われた。私も、イラついた口調になっていった。

「なんでって。」
　沈黙のあと続けた。

「りょうが好きだから、好きな人いるのに付き合えないよ。そんな中途半端なことしない。」
「え？」
「え？」

『しまった。告白してしまった。』

「今なんて？」

『いや、そこ聞かないで。」

「夢佳、ずっと俺のこと幼なじみとしか思ってなかったよね？」
「うん。一緒に住むまでは・・・。一緒に住んで、優しいところ、家庭的なところ、純粋なところ、バカなところ、いろんなりょうを更に見てきて、いつの間にか、気になってて、好きになってました。」

「本当？」
「本当です。」
「嬉しい。」
「ん？」
「俺は、ずっと夢佳が好きだったよ。小学生の時からずっと。でも、夢佳が全然、俺を幼なじみ以上に見てないのはわかってたけど、振り向いてもらえるか、夢佳に好きな人ができるまで諦めないって決めてた。」
「そうだったんだ。全然、気づいてませんでした。」