「おはよう。秋山さん。」
篠島くんは明るい笑顔で私に挨拶してくる。
長いまつ毛をしているし、他の女の子からの人気も高い。所謂、王道王子様系男子。
「おはよう。篠島くん。」
でも、どうして彼はそんなに笑ってられるのだろうか?私にはまだ無理だ。そんなに明るく笑うなんて。
「これからは俺が健斗の代わりになるよ。俺は秋山さんのそばにいるから。」
私のことをチラチラ見ながらそう告げる篠島くん。
「ありがとう。でも、私今は何も考えたくないの。お願いだから今は1人にして欲しい。」
私は篠島くんを残し、足早に歩いていく。
「ちょっと秋山さんまっ…」
私を呼び止める篠島くんを無視して、私は歩き続けた。