「ご飯食べられる?」
部屋の電気を消し、ベットに伏せている私にお母さんは優しく声をかける。
「ごめんなさい。食べられないよ。今は。」
「そうね。ゆっくり休むのよ。おやすみ。」
お母さんは私が1人になれるよう気を遣っているのだろう。
確かに色々考えたい。
今は、無理笑ったりできない。
自分だけの世界に浸りたい。
「千紗。宿題写させてくれー」
また、そう言って欲しい。
健斗はいつも、いつも、私の隣で笑ってた。
「千紗、泣くなよ。」
健斗はいつも、いつも、私が泣いている時そばで慰めてくれた。
そう。私は気づいたのだ。
私は健斗を失いたくなかった。
だって、たった1人の大切な幼馴染だから。
そして、私の初恋の人で唯一の好きな人だったんだ。