はい朝ごはん、と出されたのはお粥だった。
「何、これ」
「今日は7日でしょ。だから七草粥」
「……お粥嫌いだって知ってんだろ」
「そんなこと言わないでよ。こういうのは縁起物だし、ちょっとでもいいから」
縋るように言われ、仕方なく口をつける。
柔らかい米粒の感触はあまり好きではないが、味は悪くない。
「でしょ。中華風にしたの。あなた〇味〇ャンタンが好きだから」
感想に、にっこりと笑う妻。同棲と合わせて数年の暮らしで、好みはすっかり把握されている。
冷え込む、けれど穏やかな冬の朝。お粥が立てる湯気の向こうに妻の微笑み。
幸福とはこんな時間を言うのだろう。口にするのは面映ゆいけど。
スプーンでまた一口、お粥をかきこんだ。
「何、これ」
「今日は7日でしょ。だから七草粥」
「……お粥嫌いだって知ってんだろ」
「そんなこと言わないでよ。こういうのは縁起物だし、ちょっとでもいいから」
縋るように言われ、仕方なく口をつける。
柔らかい米粒の感触はあまり好きではないが、味は悪くない。
「でしょ。中華風にしたの。あなた〇味〇ャンタンが好きだから」
感想に、にっこりと笑う妻。同棲と合わせて数年の暮らしで、好みはすっかり把握されている。
冷え込む、けれど穏やかな冬の朝。お粥が立てる湯気の向こうに妻の微笑み。
幸福とはこんな時間を言うのだろう。口にするのは面映ゆいけど。
スプーンでまた一口、お粥をかきこんだ。