「あれ、年賀状また見てるの?」
「誰から来てたかなと思って……あ、こいつ」
とある昔馴染みの男からの年賀状で手が止まる。
「世界選手権で三連覇したって人?」
「そう。今は監督やって、世界レベルの選手育ててるって」
「すごいねえ」
妻の賞賛に、ああ、と曖昧な感じで応じる。
かつてはこいつとライバルだったなんて、嘘のような話だ。
思いを馳せていると、背中にかかる温かい重み。
「部活中に怪我したこと、今でも残念に思ってる?」
「……」
「確かに残念だったけど、推薦の大学に行ってたら、たぶん私と会ってないよね?」
「そうだな」
「ご飯できたよ、早く食べよう」
「今日は何?」
「大根とエビの春巻き。料理番組で見て美味しそうだなって」
「誰から来てたかなと思って……あ、こいつ」
とある昔馴染みの男からの年賀状で手が止まる。
「世界選手権で三連覇したって人?」
「そう。今は監督やって、世界レベルの選手育ててるって」
「すごいねえ」
妻の賞賛に、ああ、と曖昧な感じで応じる。
かつてはこいつとライバルだったなんて、嘘のような話だ。
思いを馳せていると、背中にかかる温かい重み。
「部活中に怪我したこと、今でも残念に思ってる?」
「……」
「確かに残念だったけど、推薦の大学に行ってたら、たぶん私と会ってないよね?」
「そうだな」
「ご飯できたよ、早く食べよう」
「今日は何?」
「大根とエビの春巻き。料理番組で見て美味しそうだなって」