「しょっちゅう一緒にゲームしてた時期もあったんだよ」




愛深を縛るもの。

思い出,感情。

愛深のもたらす話は,いつも幸せに起因している気がした。



「多分根本的なところで合わないんだと思う。相手は生理的に私を受け付けないのかな? 要するに私の事が気に食わないんだね」



乾いた笑いが廊下に響く。

同じ様に笑ってあげることは,出来そうにない。



「彼がひどい人間なのは私の前でだけ。まぁ,空気読めなくて最低な発言したりするところがあったから,ちょっと皆には嫌われてたけど」



気にくわない。

たったそれだけの感情で,どうして愛深が傷つけられないといけないんだろう。

俺に話そうとしてくれているくせに,今もまだ,軽い口調をやめようとはしない。

自分を守るように,そうでなくちゃいけないみたいに。

他人の言動すら,自分に責任があるように。