「陽菜じゃあね!」 「うん,またね」 「あっばいばい!」 「愛深じゃあね~」 「おっばいばーい!」 「あっばいばい」 いろんな人に声をかけて,返ってきては嬉しそうにしている愛深。 その俺から遠ざかっていく背中に,引き留めるよう声をかける。 「愛深」 「え」 たとえ話すのと同じ声量でも,愛深は勢いよく振り向いてくれた。 噎せるような感情が,喉を上がってくる。