「お? お前唐揚げだけ? 足りんのかよ」

「足りない」

「はー? もー」



陽気な弘。

次に小言。



「後お前なぁ,来るって言ったんだから,2人にも少し愛想良くしろよ。クラスメートでしょーが」

「うん,ごめん」

「お前,どした? 何かあったの?」

「……なんにも。ごめん弘,俺帰る」

「あー??! おまっ……分かった,言っとくわ」



ゲーセンで言えなかったことを,改めて言う。

遠くない駅に向けて足を向ければ,耳の奥で。

ざわざわと確かに嫌な音がしていた。