ー日曜日,外は相変わらず暑い。
そんな中,わざわざ集まっている男集団。
その内の1人となって,俺は太陽を見上げながら立っていた。
「行くか,ゲーセン」
弘がニヤリと笑う。
それに,田中だか中田だか言うやつと,伊藤だか佐藤だか言うやつが
「おー」
と反応する。
「先買っときたいもんとかねぇの?」
目を向けられて,俺はうんと答えた。
近くでは既に,屋台が多くならんでいる。
ぞろぞろと移動しながら,楽しそうに会話する弘を眺めた。
最初から,1人で来ればいいのに。
俺を1度引き摺ろうとするところが,一々変わらない。
ゲーセンに着いて,その他がクレーンゲームに向かって行く。
その中で,俺は1000円溶かしてコインに変えた。
チクチクと時間が流れて,店内音楽の騒がしさにも慣れて。
いつの間にか,俺は惰性でゲームをしていた。
何かが当たってコインが増えても,特に何の感慨もない。
帰ろうかな。
そう思い始めるのも,当然だった。
「弘」
別のイスに弘を見付けて,声をかける。
ごめん。
そう言おうとして,俺を見上げた弘に先を越される。
「あーごめんごめん。そろそろ飯行くかー」