口に出したか…と驚くと,それは弘の声で。
目の前にはきょとんとした顔の弘がいる。
それを見た愛深は少し考える動作をした後,もう一度口を開いた。
「友達って言うか…幼馴染みってやつ? 久しぶりに遊ぶんだよね」
もごもごと,照れ臭そうに紡がれた言葉。
すくに反応した弘が口を開くと
「それって……」
周りの人がガタガタと一斉に動き出す。
タイムオーバー。
「あっ時間だ! じゃあね!」
同じくチャイムの音を聴いた愛深も,掃除のためにと教室をあとにした。
「ん。まぁいいや」
『それって…』
男?
弘に合わせ,俺も静かに動き出した。