その後ろを,マイペースに歩く。

到着すると,もみくちゃにされる慧がいた。



「唯兎」



慧が俺を発見して,声をかける。

すかさず弘は慧の膝を見て声をあげた。



「慧,怪我してんじゃんか。洗ってきたら?」

「おっそうだな。よし,唯兎も行ってこい」

「は,なんで?」

「なにいってんだよ,付き添いに決まってんだろ。友達じゃんかよー~」



俺が,いつ。

口をつきかけた言葉に,慧が頷く。



「水道,着いてきてよ」



ため息をついて,俺は案内するように前を歩いた。