「あーっと……弘? であってる??」

「あれ,ごめん誰だっけ」

「俺健~」

「りー」



俺の隣に留まったままだった健は,当たり前のように弘と知り合う。

細かいことはどうでもいいタイプの弘も,同じく健を受け入れて直ぐに俺に向き合った。



「また大胆なことしたよな,お前も慧も。愛深見てると,ほんと面白い」

「……うるさい」

「ああ,弘も愛深と仲いいんだよね」

「まぁな」



答えるなり,弘はピンと来たような笑みで健の肩を抱く。



「唯兎,お前もう覚悟決めたってことでいいんだよな?」



俺が無視すると,間違えず肯定と受け取った
弘は,にんまりと笑った。



「なぁ健,お前愛深のことどう思う?」

「ん? ほっとけない可愛い妹分」

「うーよし! じゃあ同盟組もう! 同盟!」

「いいな!!!」



がっしりと,手を組む音がして。

頬杖をついた俺はあまりのくだらなさに視線をそらした。

こんなのと知り合いなんて,間違っても思われたくない。

その内,愛深まで輪に混ざってきて。

愛深にまで同盟をくんだのだと意味不明な自慢をした健は。

保母の様に笑う愛深に良かったねと流されて,流した愛深は俺を見た。

状況の説明なんてしたくもない俺は,我関せずとあまりのめんどくささに顔を歪めた