教師も大変なだけだろうに。

どこの学校も大して変わらない,実のない校長の話をひたすら聞く。

同じことでも考えているのか,愛深は虚空を見つめて意識を飛ばしていた。

校長1人を前に,生徒がズラリ。

他の教師は端に控えるようにして立っている。

イス,用意すればいいのにと1人見渡せば,遠くで誰かが立ったまま寝ていた。

他にもコクコクと船を漕いでいる先生もいて,俺はまた前を向く。。

はぁ。

時計を見て,終わるまでの時間を計算しようとしたとき



「ん,んん。では,転校生を紹介します」



校長先生特有の謎のチューニングがあった後,そんな言葉が落とされた。

広がるざわめきに,寝ていた生徒も顔をあげたのが分かった。

俺は俺の後ろの席を思い出す。

別にどんなやつが来ても構わないけど,めんどくさいやつだけは本当に勘弁して欲しい。



「はい,おいで」



校長が声をかけると,可愛いよりのモテそうな男子が舞台そでから出て来た。