流川くんはわたしと同じクラスで、誰からも可愛がられるようなムードメーカー。
「桃瀬さんもやっほー」
「あ、うん」
相変わらず、キラキラしてるなぁ。
ぴょこんと髪の毛が少しだけハネている、流川くんのチャームポイントを見ながらそんなことを思っていると。
「そうだ、桃瀬さんもカラオケくる?」
「え?」
まさかのお誘いが。
それと同時に、隣では、ちひろくんがわかりやすく眉をしかめたのがわかった。
さすがに遠慮してふるふると首を振る。
「わたしはいいよ」
「なんで? たのしーよ、俺の誕生日会やるからさ、おいでよー」
誕生日会……、楽しそうだけど、流川くん、ちひろくんの顔見てみなよ。
だんだん嫌そうになっていく表情が目に見えてわかるのに、オッケーなんて軽く言えない…。
「ね、ちーくん、桃瀬さんもいいよね?」
「……ありえない」