……え。
いま、会いたかったって言った?
「…な、なんで」
「───たぶん、もうずっと、沙葉が好きだから」
……………好き、だから?
「…え…………っえ!?」
ゆるりと落とされたその言葉に、
心臓が止まったんじゃないか。
ほんとにそんな気がした。
だって、これは………あまりにも予想外。
「四六時中、頭のなか、沙葉のことだらけで困ってんのに、沙葉は彼方ばっかだからイラついて冷たくした。距離を置こうと思ってた」
新谷くんから伝う温度と、信じられない話の連続で、呼吸すらも忘れてしまう。
「けど、沙葉が隣にいないと全然楽しくねーの。俺、ほんとは…………呆れられるくらい、話しかけたかった」
ゆっくりと、すれ違ってたものが、合わさっていく。
ぎゅって、腕の力が強まって。
新谷くんの呼吸に揺らめきを感じて。
わたしはようやく、好きって想いがひとつになったことを実感した。
「っ…わ、わかりにくいよ」
「ごめん」