「でも…っ、そこまで、言わなくたっていいじゃん……」
目の奥が熱くなってくるのを必死でこらえる。
「沙葉…」
……あぁ、だめだ。
「新谷くんなんて、口悪いし、軽いし、チャラいし、顔がいいことくらいしか取り柄ないくせに」
歯止めがきかなくなる。
タガがはずれたように、言葉が出てきて、抑えることができない。
「たまに優しくしてくれたかと思えば、急に冷たくなったり、意味わかんない。めちゃくちゃだよっ」
「……ごめん、俺が悪かったから、だから、泣くな」
「っ、……そうだよ。ぜんぶ、新谷くんのせい。ぜったい好きになりたくなかったのに……うぅ、…なっちゃったじゃん………もう、さいあく……」
やっぱり、なにひとつ、うまくいかない。
今日の占いは、ぜったいハズレ。
『ーーいつも言えない本音を思い切ってぶつけてみると、いいことあるかも!?』
洗いざらい吐いたってこのザマだ、いいことなんてありっこない。
「……………いま、なんて言った?」
こんなつもりじゃなかったのに。