「沙葉にだけは絶対しない」
「なんでさっ、わたしだってアドバイスのひとつやふたつくらいできるよ!」
「はいはい、よかったね」
「あ、じゃあさ、今度はわたしに前言ってた男を落とすテクニックというものを教えていただけたり?」
「しねーよ、てかだめ」
「ええー、だって失恋中なんだよ?慰めがほしーじゃん!」
「沙葉みたいなのにテクニックなんて100年早いよ」
さっきからだめだめの一点張り。
わたしみたいなのってなにさ!
わたしだって頑張れば次の恋にいけるはず!
「てか、彼方とはどうなった?」
「…え」
急にワントーン下がった新谷くんの声。
さっきまでの表情が無になったかのように見つめてくるから、なんだか変だ。
「ふられた」