「よしっ、かえろ」
サナちゃんの言うとおり、噂なんて気にしてたらキリがない。どうせ1ヶ月後にはみんな別のことで盛り上がってるんだ、ほら、人の噂はなんとかなんにちって言うじゃん?
帰りにコンビニで新作スイーツでも買って暗い気分を晴らそう!
そう意気込んで校門を出ると、なぜか後ろから違和感がした。
気配を感じて身体を半回転させる。
そこには少しむすっとした顔の新谷くんが立っていた。
「……なに?」
「………」
話しかけても応答なし。
同じ方向なのかと思い、しばらく歩いてみるけど、やっぱりわたしについてきてるみたいで……。
「ちょっと!なんか喋ってよ、なんで今日はそんな静かなのさ」
いつもは、沙葉ってほんと〜とか悪態つくくせに。それはそれで嫌だけど、静かな新谷くんは謎にこわい。