「沙葉、ほかに気になる人でもできたんじゃない?」
「え?」
「ほら、新谷くんとか」
「っ、な……なんで、ここで新谷くんが出てくるの!?」
彼方くんだけじゃなく、サナちゃんにまで言われるなんて…。
「新谷くんだけは絶対っ、ないから! 人のファーストキス奪って平然としてるような人だよ!? そんな人好きになりませんっ!」
「………沙葉、あんた……新谷くんとキスしたの!?」
「え、あっ…!」
しまった、完全に口が滑った!
サナちゃんが大きく瞳を見開く。
今にも叫びそうに開いていく口をあわてて押さえたわたしは、苦笑いをこぼした。
「あ、あれ? わたし、今、なんて言ったっけ? あははー、覚えてないなー」
「そんなので騙されませんっ、どういうことか説明して!」
「うぉわっ、」