「他の男と出かけるとか、何起こるか分かんねぇし。」


「何も起こんないよ…。先輩、私にそんな気ないでしょ。」


「言ったよな?男はみんな獣だって。気もないのに2人きりで映画になんて誘わない。」


うーん、そう言われちゃうとなんとも言えないけど…でも、今回のことは私がお礼をさせて欲しいって言ったんだし……


先輩だって、仕方なくっていう感じだと思うんだけど。


「…何かあったら連絡して。すぐに駆けつけるから。」


嫌っていう理由もないから、私は小さく頷いた。


「遅いから送ってく。」


また、一ノ瀬くんに手を引かれる。


一ノ瀬くんはなんのためらいもなく、簡単に手を繋ぐから、私は毎回ドキドキさせられてる。