「日曜日、映画を観に行くことになって…その、私が怪我させちゃったというか、守ってもらったから、そのお礼で…」


冷めたような目で興味なさそうに頷く一ノ瀬くん。


「2人きりで?」


「う、うん。そう言われたけど…」


質問されたから答えただけなのに、一ノ瀬くんは怒ったような様子で私に背を向けてしまった。


「え、一ノ瀬くん……?なんか、その、ごめんね…??」


謝りながら、一ノ瀬くんの顔を覗くと、一ノ瀬くんは突然私を抱きしめた。


「えっ!?」


「くっそ妬いた…。」


妬いた??えっ?何に?


ダメだ。頭の中がパニックを起こしてて、一ノ瀬くんの言っている事に追いつけない。


「一ノ瀬くん…?」