「平井さんが、叶愛がいないって、俺の元に言いに来たんだ。心当たりがあるって言うから、叶愛と同じ部屋のやつのところに行ったら、俺を見て泣き出した。」


そんなっ、事があったんだ……。


「犯罪レベルだろ。」


その声に顔を上げて、一ノ瀬くんの顔を覗くと、一ノ瀬くんはイラついたような、死んだような目をしていた。


だけど、私の視線に気づいて、すぐに優しく口角を上げた。


え、何で……表情が豊かというか、変わりすぎて怖い…。


「どうした。」


「え、あっ、ううん。」


何で、一ノ瀬くん、そんなに優しいの…。私がこんな目にあったから…??


今になって、一ノ瀬くんに好きと言われたことを思い出す。


それと…同時に過去のことも思い出した…。