「きゃ、」


突然の弾けたような大きな音に思わず身構える。


パラパラと落ちていく火の欠片たち。


「花火……」


近くて、とっても綺麗に、大きく見えて……


「すごいねっ、本当に穴場だ…」


一ノ瀬くんがこっちに連れてきてくれたのってそういう事だったんだ…


「良かった、喜んでもらえて」


「そりゃあ喜ぶよ!嬉しいもん!」


一ノ瀬くん、わざわざこのためにここ探してくれたのかな?


「ありがとう、一ノ瀬くん。連れてきてくれて」


花火で明かりに照らされる中、隣に立つ一ノ瀬くんの方を見て笑う。


「ん、俺、この夏叶愛と過ごせてすげー楽しかったよ」


うん、そうだね、、私も楽しかった。すごくすごく。


だけどね、一ノ瀬くん…


それって………なんだか、もう終わってしまうって、現実を突きつけられているみたい。