「はい、叶愛」


お財布から100円玉を3枚取り出して一ノ瀬くんに渡そうとすると、私の動きよりも先に一ノ瀬くんがいちご飴を私に差し出してきた。


「俺から誘ったんだからいいんだよ」


「…っ、ありがとう。次の機会に…奢ります」


一ノ瀬くんから受け取ったいちご飴は真っ赤に彩られて、輝いている。


甘い匂いで鼻腔をくすぐるそれに口を近づけて、優しく舐める。


「…甘い…」


いちご飴とか久しぶりに食べた……


美味しい………


「っっ、」


ん、、??


声にならない悶えのようなものが聞こえてきて横を向くと、一ノ瀬くんが顔を背けて、口元を腕で覆っていた。


「え!大丈夫!?そんなにいちご飴苦手だった!?」


やばいやばい、私無理させちゃった、!?


「ごめんね、無理させて…」