辛いはずなのに、当たり前のように笑う叶愛。


こんな時なのに、その姿が愛おしくてたまらない。


「お腹冷えてない?大丈夫?」


「うん、夏だし……大丈夫。」


「そっか。……叶愛は寝てて。俺は薬買ってくる」


小さく頷いて、ゆっくりと横になった叶愛にブランケットをかけてから、俺は部屋を出て、ドラッグストアへ急いだ。


夏だから外に出て、走るのは相当暑かったけれど、そんなのどうでもいい。


叶愛が1番辛いのだから。


叶愛のためだったらなんでもする。


自分のことなんてどうでもいい。



──帰ってきてすぐに牛乳を沸かして、それとコップに水を入れて急いで叶愛の元へ向かう。


「叶愛大丈夫?ホットミルク飲む??それとも薬が先の方がいい?」


「………ありがとう。ホットミルク飲んでもいいかな?」


慎重に体を起こした叶愛は俺の手にのったホットミルクを受け取り、そっと口元に持っていく。