「俺と結婚したら、お金なんて払わなくても毎日食べれるけど。」


突然、結婚なんて単語を出した一ノ瀬くん。……って、えっ!?結婚!?


「冗談…言わないで!」


「俺は本気。付き合うとか飛び越して、今すぐにでも結婚したいと思ってるし。」


この人は…なんてことを言ってるの……。


綺麗な瞳で私をとらえて離さない一ノ瀬くんの目元を手で覆う。


「朝から変なこと言わないで。」


「は?だから、俺は……」


『本気』だと言う、一ノ瀬くんを無視して、私は目の前のフレンチトーストを食べ続けた。



「じゃあ、私買い出し行ってくるね。」


ご飯を食べ終わって、数時間が経った頃、私はお財布を持って、玄関のドアに手をかけた。