「こ、これ!食べていいのっ!?」


「うん。どうぞ。」


どうぞと言われてしまえば、我慢なんて出来なくて、私は椅子に腰を下ろした。


「いただきますっ!」


ナイフとフォークを上手く使って、口内に放り込むと、優しい甘さが全体に広がった。


なに、これっ、フレンチトーストってこんなに美味しいの!?


「どう?」


自信ありげな表情で、私の顔を覗き込んできた一ノ瀬くん。


「美味しいっ!」


「っっ、」


すると、何故か一ノ瀬くんは顔を真っ赤にしてよろめいたけど、すぐに「良かった」と笑った。


「一ノ瀬くん、料理上手だね。」


「……そんなに喜んでくれんなら、毎日作る。」


「ふふっ、お金払ってでも食べたい。」