ドックン…ドックン……


速くなっていく鼓動。私は……


「先輩といるのに、一ノ瀬くんの事考えちゃうくらいには……」


好きなんじゃないかな。はっきりとした根拠なんて…ないけど。


「マジ…?」


「う、ん。」


「…俺、今死ぬほど浮かれてんの。」


「…うん?」


「好きな人にそんなこと言われて浮かれないやつなんていないだろ。」


きゅんっ!


あれっ、変な音が鳴った…。私の心臓…壊れちゃった…??おかしいよ……今の私、絶対顔真っ赤だし……。


「叶愛?」


「そ、それ以上、なんか言わないでっ、私…おかしくなっちゃう…。」


「ほんと理性揺さぶるの得意だな。」


「知らないっ!」


──真っ赤になった私は、一ノ瀬くんに膝を抱えられて、人だって通る危険がある脇道で……そのままキスをおとされた。