先輩と出かけるって知られた時、妬いたとかそんなふうに言われたからかな…


「叶愛？」


私どこまで末期なの…。今だって一ノ瀬くんの声が聞こえて…


「叶愛！」


私の名前を呼ぶ声と同時に引っ張られた腕。


「へっ、？一ノ瀬くん？本物…？？」


「本物。なに、叶愛。今帰り？」


「あ、うん。」


そう答えると、少し不貞腐れたように唇を尖らせる一ノ瀬くん。


「楽しかった？」


「うん。それは凄く。だけど……」


「だけど？」


一ノ瀬くんの事ばかり考えてた。素直にそう言ったら、一ノ瀬くんはどんな反応をするかな。
あっそ。ってどうでもいいっていうような反応をされちゃうかな。


「他の人の事ばっかり考えちゃって、先輩に申し訳なかった。」