「今はまだですけど、いつかそうなりたいと思っています。」


それに対して、当たり前のように淡々と告げる一ノ瀬くん。


「まぁ!もう…叶愛ったら、こんなに愛されて幸せね…。」


はぁ、…。うん、そうだね…。


私より、完全にお母さんの方が乙女……。


「ごめんね、慧。」


はしゃぐお母さんたちの横で、慧にだけ聞こえる声量で謝る。


慧に迷惑をかけてしまったことに申し訳ない気持ちが湧き上がってくる。


「大丈夫。それより姉ちゃんは…この人といて迷惑じゃないの?」


この人って言うのは…きっと、一ノ瀬くんの事だろう。


「全然。付き合ってないし、好きとかもよく分からないけど、一緒にいるのは事実だし、それに…一緒にいたいって言ったのも私、だよ?」