あははと微苦笑して、また少し遠くを見た

空手の全国一で強いのに、心のどこか誰も知らない所では、弱さも秘めているのかな、、、

一瞬だけ見せた隙が、彼の本質なんだろうか


「さて、帰るか」

「はい」

ジェラートを食べ終えて再び歩き出す。

男の子と寄り道して、こんなふうに帰る日が来るとは、世の中何が起こるか計れないな。


「そういえば、真白くんといつも一緒ですよね?」

「なに、突然」

「あ、いえ。仲良いんだなーと思いまして、、、」

「、、、あいつは特別だから」

「え?」

私が思い切りあっちの方に勘違いした顔をしていたのか、煌賀くんは上半身を仰け反らせ、引きつった笑いを浮かべた。

だって、さ。
特別なんて言うんだもの、反応しちゃうじゃない。


彼は、はあーとわざとらしいため息をついて、帰る足を早めた。