なんだかんだ最後の方はすっかり和んで、つい楽しんでしまった。

「帰り道はどっち?」

私は右方向、菜津は左方向を指差す。

「じゃあ、俺は羽乃ちゃん送るから、玲生は菜津ちゃんを無事送り届けて」

「えっ?いいです。大丈夫です。」

私も菜津もほぼ同時に断る。

「ダーメ。ちゃんと送るのが紳士の務めですから」

「でも、、、」

「はい、じゃあ行くよ。玲生、ちゃんと送ってね」

「はいはい。」

そしてその場で反対の道へ背を向けて歩き出す。


「本当にいいんですか?」

「こういうのは素直に甘えていいの。それに羽乃ちゃんと二人になりたかったしね」

くりっとした綺麗な目を細めてはにかんだ。