なんてマンガみたいな流れ。

謝るなら最初からしなきゃいいのに。

ひょいっと軽々しくジャンプして、下りてきた二人。

「助けるタイミング見てたけど、羽乃ちゃん、案外肝がすわってるんだね」

聞き捨てならない言葉とは裏腹に、無邪気な笑顔を溢れさせる真白くん。

その隣で心底面倒くさそうに欠伸をして、ため息をつく煌賀くん。


「あ!大変!授業が始まっちゃう。あの、助けていただいてありがとうございました。」


一応お礼を言って、ペコリと頭をさげた。


「お礼を言われるようなことしてないよ。羽乃ちゃんはいい子だね」

「でも、助かったのは本当なので。では、これで。」


もう一度頭をさげて、急いで教室に戻った。