作業を続けていた。
 図書室のドアが開いた。

 私の苦手な人だった。
 名前は、工藤龍樹(たつき)。
 学校1のイケメンと言われ、成績は私に次いで2番。スポーツ万能でいい分なし。みんなの前ではいつも笑顔。友達も多い。
 さらに女子に人気で、彼女がいない次期がないんじゃないかと思うほどだった。

 私のことは、そっとしておいてほしいのに、いちいち突っかかってくる。
 たぶん、成績で勝てないのがムカつくんだと思う。
 私は張り合う気なんてない。