「翔平さん、今日は来ないのかなあ…」
夕方を過ぎるとお客さんが減り
暇になった私は問題集を開けては居るものの
彼のことばかりを考えてしまっていた
夜の10時を過ぎているが
今日はまだ来ていない
来る頻度も来る時間も
いつもバラバラで
約束している訳では無いのに
毎日、今日も来てくれるんじゃないかと期待してしまう
ーーーーーーカランカランーーーー
「こんばんは〜」
入ってきて一言しか話していないのに
空気が暖かくなったのがわかる
彼が来てくれた
私は飛び切りの笑顔で彼の元へ駆け寄る
「いらっしゃいませ!」
「ふふ、ミホちゃん今日はえらい元気やね」
「翔平さん来ないかなーって思ってた時に丁度来てくれたので嬉しくって!」
「なに、俺の事考えてくれてたん?」
「はい!」
「あはは〜嬉しいな〜」と笑いながら
手早くパンを選んでお会計をする彼の姿に
違和感を覚えた
「今日も食べていきますか?」
「うん、そうやね。15分だけ居ようかな」
「わかりました!コーヒー入れきますね!」
「ありがとね〜」
コーヒーを入れている間
バレないように横目で
椅子に座っている彼を見る
あ、
違和感の正体に気がついた
全然パンの事見てない
いつもは選ぶ時も食べる前も
目を輝かせて見つめているのに
今日は見ているようで
何処か焦点の合ってない目をしている
「コーヒー、どうぞ」
彼は「ありがとう」と受け取ると
そのまま半分位まで一気に飲んだ
まだ熱いのに大丈夫かなあと思いながら
私もコーヒーに口をつける
「うっにがっ…
うわ!ごめんなさい!私のと翔平さんのコーヒー逆に渡してしまいました…」
「え?あー確かに甘かったわ。
ごめんごめん(笑)甘いの丁度欲してたみたいやから全然なんとも思わんかったわ〜」
私に向けてくれる笑顔はいつも通りなのに
やっぱりおかしい
いつもはなんでも味わって食べる人なのに
そう言えば、今日はまだパンの感想も聞いていない…
「翔平さん、疲れてるなら無理せず休んでくださいね」
何かあったんですか、大丈夫ですか
と色々な言葉は浮かんでくるけど
なんて声を掛けたら
傷つけずに
心まで届くのか分からなかった私は
この一言しか口に出せなかった
彼はいつも通り振る舞えていると思っていたのか
少し驚いた顔をした後
「大丈夫やで、ありがとう」
またいつも通りの笑顔に戻った
夕方を過ぎるとお客さんが減り
暇になった私は問題集を開けては居るものの
彼のことばかりを考えてしまっていた
夜の10時を過ぎているが
今日はまだ来ていない
来る頻度も来る時間も
いつもバラバラで
約束している訳では無いのに
毎日、今日も来てくれるんじゃないかと期待してしまう
ーーーーーーカランカランーーーー
「こんばんは〜」
入ってきて一言しか話していないのに
空気が暖かくなったのがわかる
彼が来てくれた
私は飛び切りの笑顔で彼の元へ駆け寄る
「いらっしゃいませ!」
「ふふ、ミホちゃん今日はえらい元気やね」
「翔平さん来ないかなーって思ってた時に丁度来てくれたので嬉しくって!」
「なに、俺の事考えてくれてたん?」
「はい!」
「あはは〜嬉しいな〜」と笑いながら
手早くパンを選んでお会計をする彼の姿に
違和感を覚えた
「今日も食べていきますか?」
「うん、そうやね。15分だけ居ようかな」
「わかりました!コーヒー入れきますね!」
「ありがとね〜」
コーヒーを入れている間
バレないように横目で
椅子に座っている彼を見る
あ、
違和感の正体に気がついた
全然パンの事見てない
いつもは選ぶ時も食べる前も
目を輝かせて見つめているのに
今日は見ているようで
何処か焦点の合ってない目をしている
「コーヒー、どうぞ」
彼は「ありがとう」と受け取ると
そのまま半分位まで一気に飲んだ
まだ熱いのに大丈夫かなあと思いながら
私もコーヒーに口をつける
「うっにがっ…
うわ!ごめんなさい!私のと翔平さんのコーヒー逆に渡してしまいました…」
「え?あー確かに甘かったわ。
ごめんごめん(笑)甘いの丁度欲してたみたいやから全然なんとも思わんかったわ〜」
私に向けてくれる笑顔はいつも通りなのに
やっぱりおかしい
いつもはなんでも味わって食べる人なのに
そう言えば、今日はまだパンの感想も聞いていない…
「翔平さん、疲れてるなら無理せず休んでくださいね」
何かあったんですか、大丈夫ですか
と色々な言葉は浮かんでくるけど
なんて声を掛けたら
傷つけずに
心まで届くのか分からなかった私は
この一言しか口に出せなかった
彼はいつも通り振る舞えていると思っていたのか
少し驚いた顔をした後
「大丈夫やで、ありがとう」
またいつも通りの笑顔に戻った