「誰が私の親友の居場所なんか言うかっての!あんたたちみたいなヤンキーが関わっちゃいけないのよ、心美ちゃんは!」
その声にはっと顔をあげる。
桃菜ちゃんは腕を掴まれていてきっとヤンキーを睨んでいる。
桃菜、ちゃん………。私のことを守ろうとして?
そう思ったら足が自然と動いていて、いつの間にか歩き出していた。
「へぇ。いい度胸してるじゃん。そういう女、そそられるねぇ。ちょっとこっちこい」
「嫌、離して!だ、誰か………助けて!」
「おい、騒ぐんじゃねぇ。ちょーっと楽しませてもらうだけだから。大人しくしてりゃ、なんも傷つけないよ」
「嫌ー!」
「ちょっと、私の大事な友達に何すんのよ!」
気づいたら私はその集団の真ん中にいて傘を放り投げていた。桃菜ちゃんの掴まれていない腕の方を掴みキッとヤンキーを睨む。
本当は怖くて仕方なかったけど桃菜ちゃんを助けなきゃって思った。