「そこで一目惚れしたんだ、美織に」



さっきまで笑ってた先輩が、真剣な顔で私を見つめる。



「だから女遊びもやめた。本気で美織のことを好きになったから。あの女は前にちょっと遊んでただけだから、話つけてきたからもう来ることもない。」




好きになった人はあの女の人じゃなくて私……
あの人は前に遊びで付き合ってた人で……
春海先輩が好きな人は私……


頭が理解した途端、顔がどんどん熱くなってく。



「あはは!やっと理解した?」


「うぅ…はい……」


真っ赤になった顔を見られないように顔を伏せる。


振られると思って来たのにまさか告白されるなんて……
振られる心の準備しか出来てなかったから、どう反応したらいいかわからないっ!!




「ほんっとに……泣き虫で照れ屋で可愛い」


私の頬を両手で覆って、俯いていた顔を上げられる。


先輩と間近で見つめあってるせいで余計に心拍数が上がって息の仕方すらも忘れる…





「あの日すぐ告白OKしなかったのは、困ってるみおりんを見たかったから」



「えっ何ですかそれ!!」



先輩の両手を頬からひっぺがしてブンブン腕を振る。


さっきまでドキドキしてたのに先輩の一言でどんどんと怒りが溜まってくる。


あんなに勇気出して告白したのに!
ちゃんと返事くれないのに思わせぶりなことばっかりされてモヤモヤしてたのに!



「あはは!ごめんね、みおりん見てるといじめたくなるんだよ。みおりんすぐ照れるしほんと可愛くて。」



"可愛い"

この一言だけでまた顔が熱くなる私って…

単純すぎるよほんとに……