「みおりんは勘違いしてるよ」
優しくそう言うと私の涙を指で拭ってくれる先輩。
「どこがですか?先輩彼女いるんでしょ?」
"彼女"って言葉を口にするだけで涙がどんどん溢れて止まらなくなる。
先輩は頭を撫でながら優しく涙を拭ってくれて……
「俺に彼女はいないよ。彼女にしたい子ならいるけどね」
先輩を見上げるとすごく優しく微笑んでいて、「今から話すこと全部ホントのことだから、ちゃんと聞いててね」と言われて、ゆっくりと頷いた。
「俺とみおりんが初めて会ったのって瑛真が和葉ちゃんと付き合った次の日だよね。俺それより前にみおりんの事知ってたんだ。」
「そうなんですか?」
「うん。入学式の日にね。可愛い子いないかな〜って探してた。前の俺はクズだったからね」
笑いながら言う先輩。
信じきれてなかったけど、今の先輩の言葉で完全に確信した。
本当にたらしだったんだ…