私は、神に祈る。

私はどうなってもいいから、ジェラールが幸せになれますように……

そして、彼も祈った。

俺はどうなってもいいから、由良(ゆら)が幸せになれますように……

満月が頂点に達した時、神の祝福を受けた釣鐘草(つりがねそう)の花には、聖なる雫が溜まる。

2人はそれぞれがそれぞれの幸せを祈り、その雫を飲み干した。