釣鐘草が咲き始めた。
満月の夜、私たちは揃って神殿に向かう。
神に祈りを捧げるために。
ジェラールは、小ぶりの釣鐘草を一輪、私に手渡してくれた。
私はそれを抱えて祈る。
ジェラールと結ばれたい。
けれど、そんな私の願いはもうどうでもいい。
私はどうなってもいいから、彼、ジェラールが幸せになれますように……
彼は国王だ。
跡継ぎが必要なことは分かっている。
私は、どんなに思っても彼と結婚することはできない。
誰か、彼が愛せる人と幸せな結婚をしてくれたら……
そして、彼もまた祈った。
彼女とずっと一緒にいたい。
けれど、そんな俺の願いはもうどうでもいい。
俺はどうなってもいいから、彼女、由良が幸せになれますように……
故郷に帰って、彼女の優しい両親と再会できますように……
私たちが目を開けると、釣鐘草の中には、ひとしずくの水滴が溜まっていた。
思わず、目を合わせ、迷う。
本当に願いが叶うとしたら、私はジェラールを失うことになる。
それでもいい?
自問自答した結果、半信半疑のまま、私たちはそれを飲み干した。
互いの幸せを祈って……
満月の夜、私たちは揃って神殿に向かう。
神に祈りを捧げるために。
ジェラールは、小ぶりの釣鐘草を一輪、私に手渡してくれた。
私はそれを抱えて祈る。
ジェラールと結ばれたい。
けれど、そんな私の願いはもうどうでもいい。
私はどうなってもいいから、彼、ジェラールが幸せになれますように……
彼は国王だ。
跡継ぎが必要なことは分かっている。
私は、どんなに思っても彼と結婚することはできない。
誰か、彼が愛せる人と幸せな結婚をしてくれたら……
そして、彼もまた祈った。
彼女とずっと一緒にいたい。
けれど、そんな俺の願いはもうどうでもいい。
俺はどうなってもいいから、彼女、由良が幸せになれますように……
故郷に帰って、彼女の優しい両親と再会できますように……
私たちが目を開けると、釣鐘草の中には、ひとしずくの水滴が溜まっていた。
思わず、目を合わせ、迷う。
本当に願いが叶うとしたら、私はジェラールを失うことになる。
それでもいい?
自問自答した結果、半信半疑のまま、私たちはそれを飲み干した。
互いの幸せを祈って……