私たちは、それから24時間いつも一緒に過ごした。

お互い、取り止めのない話をし、ジェラールの優しい思いに包まれて眠った。


そうするうちに、私は、自分の中に違う感情が芽生えていることに気づいた。


ジェラールが好き……

ジェラールのことを考えるだけで、胸が苦しくなるほどに。

これは、友人の好きじゃない。

どんなに思っても、私たちは結ばれることはないのに。


けれど、私は、心の内を隠してこれまで通りに生活をする。

彼に心の声が届かないように……



そんなある日の夜、私がジェラールの隣で眠ろうとするとジェラールの声が聞こえた。

ジェラールは、口を開いてはいない。

ただ思いだけが届いた。

「由良、好きだよ。愛してる」

ジェラールの(あふ)れんばかりの思い。


私の絶対に届かないはずの思い。

「ジェラール、私も。
 私も、あなたを愛してる」

決して結ばれることはなくても、この思いが通じただけで、幸せだと思える。