「えっ!? 付き合ってるんじゃないの?」

「だから、付き合ってないってば」

「毎日、待ち合わせてラブラブで帰るとこを、あれだけ見せつけておいて??」

「ら、ラブラブ!?」

 普通にしゃべるだけの日もあるけれど、護がおかしなことを言ってくる日もある。

 ラブラブ…ではないはずだけど、護のせいで、完全には否定しづらい。

 困っている私を見て、恭子が吹き出した。

「ほら、『佐藤君に義理チョコって、ムリがある』って、私が言った通りだったでしょ?」

 あとの2人も、恭子に続いた。

「佐藤君の好きなドライフルーツも準備しておいて、義理チョコって言い張るつもりだったの? 玲奈、ムチャだよ、あはは」

 ううっ、痛いところを突かれてしまった。

 最初の計画では、ナッツを乗せたチョコブラウニーだけを作るつもりだったのに、私からお願いして、ドライフルーツを乗せたのも作らせてもらうことにしたのだ。