「…文集を読んでよ。自分の目標っていうか、夢っていうか、そういうのって、口頭でだと恥ずかしい」

 それは理解できる気がする。

「でもさ、自信作。先生が下書きの余白に、コメント書いてくれたんだよ。『素直、かつ大胆でいいですね。応援しています!』って」

「えっ、内容は教えてくれないくせに、ちゃっかり自慢だけはするの!?」

「あー、うん、そうなる」

 私は『ひどーい』と言いながら、笑ってしまった。

 そう、こうやって笑いながら、ずっと護のそばにいたい。

 それを叶えるためには、護を好きでいたらいけない。

 好きな人といっしょにいたいから、その人のことを好きでなくなる…すごい矛盾。それでも…

 幼なじみ。護を表す言葉は、それだけ。他に含みがないようにしないと…