今日も護は正門のところに立っていた。

 護が待っているのに慣れてきている自分がいて、怖くなる。これは、危険だ!!

「寒いのに、毎日、待たなくていいよ」

「待たないといっしょに帰れない。だから、待つよ」

 護が優しく笑った。

 私といっしょに帰れるなら、待つのなんて平気、みたいな空気をかもし出す。

 だから、そういうのが困るんだよ。

 護だけは好きになっちゃダメだもん。

 ああ、本当はちょっと手遅れなんだけど…ここで引き返せば、まだ大丈夫だと思う。

 とにかく、この雰囲気のままはマズい。

 甘くない話題…何かないかな…そうだ。

「来週、立志式だね。体育館は寒そうだけど、講演で授業がツブれるのはうれしいな」

「そうだな。作文も清書して提出できたし、ようやく全部終わるな」

 えっ、今、何て言った!?!?