「7、8割の人がほぼ同じようなことを書いています。学生が志望高校を目指して、勉学に励むのは当然のことです」

 ううっ、私のことだ…。

「立志式を前にして、人生の目標として定めるようなことではありません。期限を2週間、延ばすことにします。終業式までに文集にして配付できる、ギリギリの期限です。どうしても無理な人はこのままでも仕方ありませんが、書き直せる人は、がんばって書き直してください」

 返却された作文と、新たに配布された真っ白な原稿用紙を、私は絶望的な気持ちで見つめた。

 2つも課題を抱えるなんて、ちっ息しそう!!

 せめて1つだけでも、早く解決しなくっちゃ。

 作文に時間がかかるのは目に見えてる。

 勇気さえ出せれば終わらせられる、村田君の方を先にしよう。

 何より、村田君にダラダラと気を持たせるより、一刻も早く断る方がいいもん。

 休み時間になると、私は大急ぎで2組の教室へおもむいた。