私には今、2つの課題がのしかかっている。

 1つはもちろん、村田君からの公園デート、これをデートと呼ぶのかも怪しいところなんだけれど…を断ること。

 それから、もう1つは立志式の作文だ。

 苦手な作文…それなのに、1度はがんばって、息切れしながら2000字を埋めた。

 『勉強をがんばって志望高校に合格したいです』ってだけの薄ーい内容を、2000字にまで引き伸ばすって、すごく難しいことだった。

 でも、期限に遅れることなく、それをやり遂げてみせた。

 書き終えたときには、もしかして私は苦手どころか、作文を書く才能があったんじゃないの!? とさえ思った。それなのに…

 立志式の作文は、国語の先生が目を通す。

「みなさんの目標や決意は、みなさんだけのものです。だから、先生は中身にコメントを一切しません。先生が行うのは、誤字脱字のチェックのみです」

 最初にそう明言していたはずだ。

 けれど、全員の作文を読んで、どうも気が変わったみたい。